がん教育への取り組み

「がん教育」におけるがん経験者の ❝語り❞

文部科学省より公表されている「学校におけるがん教育の在り方について(報告)」ではがん教育の目標について「がんについて正しく理解することができるようにする」「健康と命の大切さについて主体的に考えることができるようにする」とされています。

上記の報告では「がんに関する科学的根拠に基づいた知識などの専門的な内容を含むがん教育を進めるに当たって、学校医や医療者などの外部講師の参加・協力を推進するなど、多様な指導方法の工夫を行うよう配慮する。
がん経験者等の外部講師の参加・協力を推進する」とされており、外部講師の活用が勧められています。

がんの知識の普及や啓発について、医師などの外部講師が果たす役割が大きいです。
一方で「がん患者はどのように治療を受け、どのように生活をしているのか」「がん患者はどのようなことを考え、どのような思いを持っているのか」ということの理解には、がん経験者による“語り”の果たす役割が大きいと考えられます。

私たちは、自分たちの経験を社会的な価値と捉え、その声を教育現場から発信することにより、子どもたちががんの理解やがん患者に対する正しい認識を深めると共に、自身や大切な人のために、適切な態度や行動をとれる力を育むことに、つなげていきたいと考えています。

神奈川県がん連は、がん教育を通して、子どもたちの「生きる」を応援し、自分もみんなも大切にできる共生社会を目指します。

文部科学省より公表されている「外部講師を活用したがん教育ガイドライン」には「健康や命の大切さをねらいとした場合は、がん患者やがん経験者による指導も効果的と考えられる」と明記されています。
その中には、

  • 地域の専門家等の中から学校における講演等の実施者として相応の者をリストアップ
  • 外部講師を活用したがん教育の実施に向け、必要に応じて教育委員会等を通じ、学校との日程調整の支援等を行うこと

とあります。
がん経験者が教育現場で話をする際に、配慮せずに経験談を語った場合、それが児童生徒に「マイナスの印象」を与えてしまうかもしれません。
そのため、がん教育を初めて行う学校は、外部講師がどんな話をするのか、生徒の心情に配慮をした話をしてもらえるのか、そもそも誰に依頼をすれば良いのか、ということに悩む可能性があります。

そんな先生方の思いに応え、神奈川県がん連では下記の取り組みを行い、外部講師を育成しています。

  • 教育/行政/医療関係者などを講師としたがん教育研修会」の定期的に実施
  • 上記研修会の修了者に対するフォローアップ研修を実施
  • 実践を想定した模擬授業を重ね、講義の質を高めた講師のみを外部講師として派遣
  • 外部講師のリストを毎年更新

このサイトには、外部講師の紹介や、外部講師が関わる授業の内容、ご依頼の仕方などを掲載しています。
より良いがん教育を共に築いていくためのツールとしてご活用ください。

手に取ってお読みいただけるハンドブックもあります。

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神奈川県がん連とは

理事長 天野慎介

一般社団法人
神奈川県がん患者団体連合会
理事長 天野慎介

私たち神奈川県がん連は、神奈川県内のがん患者団体の連合体組織として、がん患者団体の連携や活動の促進を図りつつ、がん患者と家族の治療やケア、生活や社会における課題の解決に取り組んでいます。ひいては、がん医療の向上とがんになっても安心して暮らせる社会を築くことを目指している、非営利型の一般社団法人です。